十年前に思いついたメジャーリーグの「いいとこ取り」

執筆者:梅田望夫 2005年3月号

 メジャーリーグもそろそろスプリング・トレーニングに入る。各チームのシーズンオフ補強の骨格もほぼすべて見え、シーズン開幕まであと一カ月半となった。ああ待ち遠しい。 昨秋ポストシーズン史上初の「三連勝からの四連敗」でボストン・レッドソックスに敗れたニューヨーク・ヤンキースは、またもや莫大なカネを投入して、やや心細かった先発投手陣を強化。ついに球界一の左腕ランディ・ジョンソン(四一)まで獲ってしまった。年俸は千六百万ドル。ムシーナ千九百万ドル、ブラウン千五百七十万ドル、パバーノ九百万ドル、ライト七百万ドルと合わせ、先発ローテーション五人の年俸総額は六千六百七十万ドル。この五人だけで巨人軍全選手の年俸総額を大きく上回ってしまった。これで史上初の年俸総額二億ドルチームとなったヤンキースは、果たしてどんな戦いを見せるのだろうか。 そんなヤンキースの金満ぶりをあざ笑うかのように、ベストセラー・ノンフィクション『マネー・ボール』(マイケル・ルイス著、ランダムハウス講談社刊)の主人公、貧乏球団オークランド・アスレチックスのGMビリー・ビーンは、全く違う戦略で大きな賭けに出た。アスレチックスは、メジャー屈指の先発三本柱(ティム・ハドソン、マーク・マルダー、バリー・ジトー)を有するチームだったのだが、そのうちの二人ハドソンとマルダーをトレードで放出し、メジャー実績のない二十代前半の選手を見返りに得たのである。

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執筆者プロフィール
梅田望夫 1960年東京都生れ。94年渡米、97年コンサルティング会社ミューズ・アソシエイツを起業。著書に『ウェブ進化論』(ちくま新書)、『ウェブ時代をゆく』(同)、『ウェブ時代 5つの定理』(文藝春秋)、『ウェブ人間論』(共著、新潮新書)など。メジャーリーグの野球、そして将棋の熱烈なファン。
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