奇瑞汽車の米国進出に向けられる「疑問の目」

2005年3月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: 中国・台湾 北米

 中国八位の自動車メーカー、奇瑞(チェリー)汽車(安徽省)が二〇〇七年に米国に上陸する。自動車輸入販売ビジョナリー・ビークルズ(ニューヨーク)が小型セダンなど五モデルを初年度二十五万台輸入し、全米二百五十店舗で販売。二〇一〇年には最大十モデルに増やし、百万台の販売を目指すという。 奇瑞の計画は野心的。米国仕様はすべて新型の専用モデルとし、クーペのデザインはフェラーリ車で有名なイタリア・ピニンファリーナ社が手がける。全輸入モデルにオーストリアAVL社製エンジンを採用し、生産は中国で行なう。価格も日本車・韓国車のエントリー・カー(入門車)に比べて三〇%安く設定し、走行保証は十年間十万マイル(約十六万キロ)と破格の設定だ。 ただ、初年度目標の二十五万台は、マツダの昨年実績二十六万台に迫る数字。百万台といったら日産自動車の同九十八万六千台をも上回る。こうした強気の見通しに、米国の業界関係者は一様に「無謀だ」と口をそろえている。 海外販売に力を入れてきたとはいえ、奇瑞の輸出実績は途上国向けばかりで年間数千台程度。国内の販売台数も年間十万台に満たない。「走行保証十年十万マイル」は韓国・現代自動車が米国で定着させたものだが、現代自ですら米国挑戦は二度目で、初上陸の段階から走行保証するのは無理がある。中国内で販売する小型車「QQ」は米ゼネラル・モーターズ(GM)傘下のGM大宇自動車技術から「『シボレー・スパーク』のコピー商品で知的財産権違反」だと訴えられている。「中国メーカーは国内に課題がありすぎ、まだ輸出能力はない」(ジョン・ディバインGM副会長)。

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