ブッシュの経済政策を危うくする「身内の反乱」

2005年3月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: 北米

内政の「最重要課題」である公的年金改革に対して、共和党内部からも批判の声があがり始めた。[ワシントン発]ブッシュ大統領が、就任式と一般教書演説という二つの大きなイベントを終えた。経済は順調、政権を揺るがすようなスキャンダルも見当たらない。イラク情勢に懸念は残るが、国民議会選挙の成功で事態の急速な悪化というシナリオは遠のいたようだ。第二期政権には付け入る隙がないように見える。 しかし、ワシントンの街には、あちこちに微妙な変化が現れている。そしてその変化は、「公的年金の一部民営化」という内政課題をめぐる議会と政府のヘゲモニー(主導権)争いという形で、ブッシュ政権を追い詰める可能性すら秘めている。 一月二十五日、ホワイトハウスに上院財政委員会のメンバーが招かれた。税制や年金など国家財政の大きな柱に手をつけるには、この委員会に諮らねばならない。といっても民主党議員に声は掛からず、大統領との会談に臨んだのは共和党議員だけ。大統領の狙いは、内政上の最優先課題と位置づけた公的年金制度の改革に協力を求めることだったのだが――。 上院財政委員会のメンバーとの会談が半ばまできたとき、メーン州選出のオリンピア・スノーが大統領のプランに疑問を表明した。スノーはギリシャ系の女性上院議員。政治の世界に入って三十年以上が経つベテランだ。財政均衡主義者でブッシュの減税案には常に警鐘を鳴らしてきた。また、環境問題ではブッシュのライバルであるジョン・マケイン上院議員に近く、産業界重視の姿勢にも疑問を表明してきている。

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