日本の「津波援助外交」は税金を有効に使ったのか

執筆者:水本達也 2005年3月号
カテゴリ: 社会
エリア: 日本

[ジャカルタ発]未曾有の大災害となったスマトラ沖地震。復興支援に関する各国の「成果発表」は、震災で最大の被害を受けたインドネシアの首都ジャカルタのヒルトンホテルにしつらえられた豪華な会見場で行なわれる。だが一月六日、満を持して登壇した日本外務省当局者が目にしたのは、櫛の歯が欠けたようにまばらな記者席だった。 同日にジャカルタ・コンベンションセンターで行なわれた津波サミット(緊急首脳会議)で、日本が拠出を表明した支援額は五億ドル(約五百億円)。その前日、オーストラリアがインドネシアに対して約八億ドル(約八百十億円)の拠出を明らかにし、ドイツも五億ユーロ(約六百八十億円)と続いたことで、日本が「各国が最大の演出効果を狙う美人コンテスト」(インドネシア紙記者)におけるアピール度で後れをとったことは否めない。だが実は、日本の援助は質量ともに抜きん出ていた。「緊急救援」から「復旧」、そして「復興」へ――国連は災害支援を三段階に分けて考えている。被災から六カ月間は「緊急救援」を行ない、その後「復旧」から「復興」までに三―五年をかけるというプランだ。だが、十二月二十六日の津波発生から一カ月の間に、インドネシア政府が実際に支援金を受け取ったのは、トルコ、韓国、日本など四カ国からだけ。特に日本は拠出した五億ドル(二億五千万ドルは国際機関向け、インドネシアには一億四千六百万ドル相当)全額を初期の「緊急救援」に充てる「最大の貢献」(国連当局者)をしている。しかも、「復旧」や「復興」段階での援助は別途検討する、という手形つきだ。

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