「支持率10%」地に落ちた米議会への信頼

執筆者:足立正彦 2013年6月25日
タグ: CIA アメリカ
エリア: 北米

 今月、2つの興味深い世論調査結果が明らかにされた。

 1つは、CNN/ORC Internationalが共同で6月11日から13日までの3日間、全米の有権者約1000人を対象に実施した最新世論調査である(6月17日公表)。バラク・オバマ大統領の支持率が先月17日と18日の両日実施された前回の世論調査時より8ポイントも低下し、2011年11月以来約1年半ぶりの最低水準、45%になったことが明らかになった。

 

 先月は、突然いくつかのスキャンダルがオバマ政権を直撃した1カ月であった。在リビア・ベンガジ米国領事館襲撃事件の原因を巡り、米中央情報局(CIA)と国務省との間で激しい綱引きが行なわれていたことが明らかになり、共和党議員から激しい批判が繰り出され、改めてオバマ政権の責任論が浮上することとなった。また、米内国歳入庁(IRS)がティーパーティー(茶会党)系の政治団体に対する税務審査を通常よりも厳格化していたことが米財務省による監査プロセスの中で発覚し、オバマ政権の「大きな政府」路線がこの問題の背景にあるとの批判が共和党議員から展開された。さらに追い討ちをかけるように、米司法省がAP通信の記者やデスクの電話通話を2カ月間秘密裏に追跡していたことも明らかになり、メディアからもオバマ政権に厳しい視線が向けられるようになったのである。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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