深層レポート 日本の政治
深層レポート 日本の政治(62)

哀れ小泉「最後の牙城」郵政でも妥協

2005年3月号
カテゴリ: 政治 金融
エリア: 日本

 小泉純一郎首相は「人間嫌い」である――。精神科医でもある民主党の水島広子衆院議員(比例北関東ブロック、当選二回)は、二年前に出版した著書『国会議員を精神分析する』(朝日新聞社)の中でそう診断を下している。 米国の精神科医クロニンジャーの七因子モデルに当てはめると、首相のパーソナリティーの特徴は「『報酬依存』の低さと『自己超越』の高さ」にある、と水島氏は指摘する。社交性や人情、つまりは周囲の人と良好な人間関係を築きたいという思い(報酬依存)はさほどなく、むしろ人に左右されたくない、煩わしい人間関係は避けたいという気持ちが強い。日常生活を超えた世界への関心(自己超越)が強く、人付き合いより芸術鑑賞や読書を好む。特攻隊への特別な思い入れにも「国のために自己を捧げた尊い精神性への憧れ」という自己超越的志向が表れているという分析だ。 首相が意見の違う相手を説得、懐柔しようとせず、端から「抵抗勢力」と決めつけ対決を挑むのは、世論を喚起する狙いもさることながら、そうした性格に起因する部分が大きい。多用する「丸投げ」手法も対人関係を面倒くさがるパーソナリティーから発したものだ。そんな見方を示した上で、水島氏は「小泉氏は必要なときにも他人と連携することができないし、そのための誠実な対人関係を普段から築いておくことができない。だから、多数派を形成していく政治力としては限界ができてしまう。(中略)小泉改革が妥協の繰り返しに終わって成果を挙げられないのは、基本的にこの力が欠けているためだ」と指摘した。

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