安倍首相がG8で示した「第3の矢」への「覚悟」

執筆者:磯山友幸 2013年6月27日
タグ: 安倍晋三 日本
エリア: アジア
 自信満々のスピーチだったが…… (C)AFP=時事
自信満々のスピーチだったが…… (C)AFP=時事

 6月19日、安倍晋三首相がG8サミット(主要国首脳会議)に出席するために訪れたロンドン市内で行なった「経済政策に関する講演 」は、さながら世界に向けた投資勧誘だった。

「日本の再興に必要なものは、古い日本を新しくし、新しい日本をもっと強くする、強力な触媒です。対日直接投資に、その期待がかかります」

 5月下旬にあとわずかで1万6000円というところまで迫った日経平均株価は、1万3000円を割る水準まで下落。安倍首相が渾身の力を込めて放ったはずの3本目の矢である成長戦略『日本再興戦略』を6月14日に閣議決定しても、市場はまったく反応しなかった。そんな背景もあったのだろう。安倍首相は熱く投資家に語りかけるように日本への投資を呼びかけた。世界に門戸を開き、海外の投資を受け入れることで、日本を新しく変えていく。そう強調してみせたのである。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
磯山友幸(いそやまともゆき) 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト活動とともに、千葉商科大学教授も務める。著書に『2022年、「働き方」はこうなる』 (PHPビジネス新書)、『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、『破天荒弁護士クボリ伝』(日経BP社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)、『「理」と「情」の狭間――大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP社)などがある。
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