ドイツは八方塞がり

執筆者:名越健郎 2005年3月号
エリア: ヨーロッパ

 かつて欧州の機関車と呼ばれたドイツが、すっかり「病人」になってしまった。500万人を超えた失業者や基幹産業の不振、税収減。財政赤字が膨張し、欧州連合(EU)の欧州委員会から警告を受けたほどだ。シュレーダー首相の評価も地に落ち、与党・社会民主党(SPD)は地方選挙で惨敗続き。首相が失業者から平手打ちをくらったこともあった。 ドイツでは、「ざまみろ。引っかかっただろ」と叫ぶシュレーダー首相の物まね役者が人気だ。前回総選挙で、甘言に惑わされて同首相を再選させた国民の切歯扼腕が読み取れる。 シュレーダー首相が失業した建築家を慰めた。

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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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