普天間・嘉手納統合案 言い出したのは日本だった

2005年4月号
カテゴリ: 外交・安全保障
エリア: 日本

 米軍普天間基地の移転問題で、沖縄北部の辺野古沖への移転を断念し、嘉手納基地に統合する案が浮上してきた。 辺野古断念の動きは、二月に訪米した額賀福志郎自民党安保調査会長に国防総省のローレス副次官が「適切な移設場所を見出すことが必要だ」と述べたのがきっかけ。防衛庁幹部は「SACO(日米特別行動委員会)合意から九年が経過しても進まない作業に、米側がいらだちを示した」と解説するが、日米軍事筋は「会談で普天間の移設問題を持ち出したのは額賀の方。ローレスは相槌を打っただけ」と辺野古断念は日本側の提案と明かす。 新たな移設先として沖縄では「宮古島に隣接し、飛行場のある下地島」「米軍の訓練場がある伊江島」、その他では「海兵隊基地のある山口県岩国基地」などの名が挙がっているものの、いずれもダミーとの見方が出ている。別の軍事筋は「日本側にとって一番よいのは既にある米軍基地に普天間基地を飲み込ませること。嘉手納なら滑走路が二本あり、受け入れる余地がある。SACO報告で嘉手納統合が消えたのは、当時の橋本首相が辺野古への移設を決断し、話を詰める必要がなくなってしまったため」という。 だが、一度なくなった案を再浮上させるのは、最初から取り組むよりはるかに難しい。嘉手納の航空機を他の基地に移して騒音を減らすといった説得材料がない限り、地元の猛反発は必至であるうえ、米軍も基地の数が一つ減るプランをすんなり受け入れるとは思えない。最悪のシナリオは、辺野古への移転話だけが消え、普天間基地がそのまま残ることだという。

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