「対北」の基軸は「米中韓」へ(上)韓国を中国側へ押しやる「歴史問題」

平井久志
執筆者:平井久志 2013年7月4日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
 6月27日の歓迎式典に参加した中韓両首脳 (C)AFP=時事
6月27日の歓迎式典に参加した中韓両首脳 (C)AFP=時事

 韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が6月27日から30日まで訪中し、中国と韓国の密月ぶりを内外に誇示した。中国と韓国が国交を樹立したのは1992年8月。朴槿恵大統領の訪中は、わずか20年余の間に、中韓両国がどれほど近い関係になったかを示した。

 6月27日の習近平国家主席との単独会談では、北朝鮮の核問題に関連し、習主席が「北朝鮮に圧力も掛けるが、説得の努力もすべきだ」と訴えた。これに対して朴大統領は『論語』の「聴其言而信其行  今吾於人也 聴其言而観其行」(初めは人の話を聞きその行動を信じた。今はその言葉を聞いてもその行動を観察している)と応え、北朝鮮が様々な言を弄しながらも非核化に応じていない状況を批判した。北朝鮮の言葉が真実であるとするには具体的な行動が必要だという意味だった。

 その後の拡大首脳会談では、新羅末の詩人、崔致遠(チェ・チウォン)が唐に留学し、帰国した際にうたった漢詩の一節「掛席浮滄海 長風萬里通」(海に船を浮かべれば、長風は万里に通じる)を習近平主席が紹介した。中韓関係は悠久のもので中国が中韓関係を重視しているとの意味とみられる。

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執筆者プロフィール
平井久志
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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