江沢民の“遺産”「上海閥」の解体が加速

2005年4月号
カテゴリ: 国際 金融
エリア: 中国・台湾

 中国の江沢民・前総書記が率いていた上海閥の解体が加速しそうだ。 胡錦濤総書記は上海のトップ、陳良宇・市党委員会書記を、同じ直轄市である天津市党委書記へ回し、後任には劉延東・党中央統一戦線工作部部長兼全国政治協商会議(政協)副主席(党中央委員)を充てる方針を決め、党内調整を急いでいる。 劉は一九八二年、胡と同時期に共産主義青年団中央書記局入りし、胡が第一書記になってからは常務書記としてコンビを組んだ筋金入りの「団派」。すでに上海市のナンバー2である市長には同じ「団派」の韓正が就いている。江の牙城は全面的に胡の軍門にくだることになる。 一方、天津のトップである張立昌・市党委書記は、中央党校副校長に転出する見込み。江と天津閥のボス、李瑞環・前政協主席の対立のあおりを受け、九〇年代以降、経済建設・対外開放で遅れをとった責任もあり、一時は引退説もささやかれた。だが、胡は、恩人の胡耀邦・元総書記(故人)と近く、共青団の先輩でもある李瑞環のメンツに最大限、配慮したようだ。しかも張の引き上げは、現在の中央党校校長で江の大番頭だった曾慶紅・国家副主席(政治局常務委員)への牽制にもなる。 両市の書記は同じ政治局員ポストであり、陳良宇の異動は左遷には当たらない。だが、戴相龍・現天津市長(前中国人民銀行総裁)が、豊富な経済・金融経験を武器に市民の絶大な支持を固めているところへ、「落下傘でただ一人、敵陣のど真ん中に飛び降りさせられるようなもの」(天津の幹部)。陳には江の天津いじめに積極的に加担した前歴もある。「祭り上げられて二年後の任期満了に伴い完全引退」と、早くもその末路を予想する声まで上がっている。

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