“熱帯への進軍”最前線を歩く(6) 滇緬公路での日中戦争の実相

執筆者:樋泉克夫 2013年7月6日
エリア: 北米 アジア
 壁に貼られた奇妙な‶通知″ (2012年5月、筆者撮影。以下、写真はすべて同じ)
壁に貼られた奇妙な‶通知″ (2012年5月、筆者撮影。以下、写真はすべて同じ)

 国境の街から中国内陸部に戻り、芒市から龍陵に入った。

 宿舎である『龍陵賓館』の周囲を歩くと、ホテルに沿った壁に貼られた新聞紙見開き2頁の真っ赤な紙が気になった。最上段中央に「通知」、最下段は「龍山社区居民委員会 2012.4.16」と記されている。「居民委員会」は共産党政権の最末端に位置する組織だ。

 さて、周辺の「居民」になにを「通知」しているのか、面白そうなので読み進む。

「通知」は、計画生育を進めるため、「計画生育家庭意外障害保険」と「計画生育手術安康意外傷害保険」への加入を積極勧誘している。

カテゴリ: 政治 社会 カルチャー
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top