インテリジェンス・ナウ
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“情報帝王”になるカリスマ官僚ネグロポンテの来歴

春名幹男
執筆者:春名幹男 2005年4月号
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 ポーター・ゴス米中央情報局(CIA)長官(六六)は、半ばやけくそのように見えた。「私が求められている仕事は生身の人間には多すぎる。その仕事量にちょっと驚いた」「大統領に対する毎日のブリーフィングとその準備のために五時間もかかる。ブッシュ大統領は貪欲な情報の消費者だから」 三月二日、カリフォルニア州シミバレーにある「レーガン大統領図書館」で講演したゴス長官は自分の仕事をそう語った。 しかしその仕事は、ジョン・ネグロポンテ次期国家情報長官(DNI/六五)が議会承認されれば、大幅に縮小される。大統領への毎日の情報ブリーフィングはDNIがやる。全部で十五ある米情報機関を統括する任務はまさにDNIの仕事となる。 これから楽になるのだからぼやく必要などないのに、ゴス長官はさらに不安を口にした。「(DNIの創設で)曖昧な点が膨大に残された。私とネグロポンテの直接の関係がどうなるのかも分からない」 実はゴス、ネグロポンテの両氏は親しくはなかったようだが、エール大学で同級生だった。「私は彼を高く評価している。情報コミュニティは強化され、団結するだろう」と最後の一線で踏みとどまり、礼儀を保った。 今、米政府内でDNIは最も難しいポストと言える。

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執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
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