「前任者の影」がちらついたオバマ大統領のアフリカ歴訪

足立正彦
執筆者:足立正彦 2013年7月9日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: アフリカ 北米

 7月4日、米国は237回目の独立記念日を迎えた。その直前、6月26日から7月3日までの8日間の日程で、オバマ大統領は、セネガル、南アフリカ、タンザニアのアフリカ3カ国を歴訪していた。今回のアフリカ歴訪では、オバマ大統領は従来までの「支援・援助重視型」の米国の対アフリカ政策を見直し、アフリカとの「新たなパートナーシップの構築」へと転換を図る方針を示すとともに、アフリカとの一層の対話推進の必要性も訴えた。アフリカ歴訪中、オバマ大統領はサブサハラ地域(サハラ砂漠以南)における電力供給の倍増を目指す電力供給支援のための新イニシアティブである「パワー・アフリカ(“Power Africa”)」や通商拡大に向けた新パートナーシップである「トレード・アフリカ(“Trade Africa”)」の立ち上げを相次いで発表した。

 現在、アフリカの人口は10億人であるが、6億人は電気のない不自由な生活を強いられている。2030年までにアフリカの人口は6億人増加すると国連は予測しており、電力不足の解消は、今、アフリカが解決すべき喫緊の課題の1つである。サブサハラ地域の企業にとり電力不足は深刻な問題であり、発電所の老朽化や頻発する停電、高額な電気料金などで事業活動に重大な支障が出ている。アフリカの経済成長の阻害要因の1つにもなっているこうした状況を打破するため、オバマ大統領は電力供給支援のための新イニシアティブである「パワー・アフリカ」の立ち上げを南アフリカのケープタウン大学で発表した。米国政府による70億ドルの支援と民間セクターからの90億ドル以上のコミットメントから構成される新イニシアティブにより、米国企業がサブサハラ地域での電力プラント建設の支援を行なうことになる。今後、エチオピア、ガーナ、ケニア、リベリア、ナイジェリア、タンザニアの6カ国で電力プラントが建設され、サブサハラ地域の合計2000万以上の世帯や企業に対して電力供給を行なうことを目指す。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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