「次善の候補」に託された台湾経済の綱渡り

執筆者: 2005年4月号
エリア: アジア

液晶パネルは頭打ち、半導体では中国の猛追を受ける台湾。「独立」と「統一」の間のナローパスで経済成長を続けられるか。[台北発]春節(旧正月)気分が残る二月十八日朝、台湾メディアの政治担当記者に緊急会見の案内が入った。日本のワイドショー並みの直撃取材で売る彼らは、直ちに台北市の官庁街の一角を占める行政院(内閣)の一階玄関にカメラの放列を敷いた。そこへ二月一日に陳水扁総統から任命されたばかりの謝長廷行政院長(首相)が、大柄な初老男性を伴って二階から下りてきた。この日、副院長(副首相)に任命された呉栄義氏だ。

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