経済の頭で考えたこと
経済の頭で考えたこと(60)

中国「ステイト・キャピタリズム」の破局は避けられない

田中直毅
執筆者:田中直毅 2013年7月17日
エリア: 中国・台湾
 7月10-11日に行なわれた米中戦略・経済対話に出席した中国の汪洋副首相は、経済・金融分野の構造改革に取り組む考えを示した (C)AFP=時事
7月10-11日に行なわれた米中戦略・経済対話に出席した中国の汪洋副首相は、経済・金融分野の構造改革に取り組む考えを示した (C)AFP=時事

 中国における金融リスクの顕在化はもう避けられない。中国の経済運営は分岐点に立ち、「オン・アンド・アフター(その時以降)」という新段階に入ることになろう。習近平、李克強体制は果して転轍手の役割を担いきれるのかどうかが問われることになる。改革と開放の開始から35年の時点において、歴史の舞台はまったくの新局面に移る。ステイト・キャピタリズム(国家資本主義)の代表選手としての中国に対する警戒心は西側社会に急速に広がったが、これからは中国自身が自らの絵姿を修正せねばならなくなったのだ。

 

評価された「リーマン後」の対応

 中国の金融システムに大変動をもたらしたのは2008年のリーマン・ブラザーズ社の破綻だった。決済システム不安が世界中を被うと、先進工業国の最終需要は突然消滅したかの如くであった。

 とりわけサプライ・チェーン・マネジメントの運営に一日の長があった日本企業は、一挙に生産を絞り込み、あたかも日本だけに恐慌が押し寄せたような状況が生まれた。労働契約に基づく「雇い止め」も相次いだ。

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執筆者プロフィール
田中直毅
田中直毅 国際公共政策研究センター理事長。1945年生れ。国民経済研究協会主任研究員を経て、84年より本格的に評論活動を始める。専門は国際政治・経済。2007年4月から現職。政府審議会委員を多数歴任。著書に『最後の十年 日本経済の構想』(日本経済新聞社)、『マネーが止まった』(講談社)などがある。
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