ロシア軍「史上最大規模抜き打ち演習」の深いワケ

執筆者:名越健郎 2013年7月21日
エリア: ヨーロッパ アジア

 ロシア軍が7月13日から20日まで、東部軍管区で「ソ連崩壊後最大規模」(ロシア国防省)の軍事演習を抜き打ちで実施し、プーチン大統領も現地視察した。今回の演習に「中国の脅威」が影を落としているのは間違いないようだ。

 抜き打ち演習には、東部軍管区を中心に兵力16万人、戦車1000両、航空機130機、艦船70隻が参加。東部軍管区の兵力は16万人以下で、中部軍管区からも動員されたようだ。近年の軍事費増や兵器の更新を受けて、軍の機動力や作戦遂行能力、緊急展開能力などをチェックする狙いがある。サハリン州とチタで演習を視察したプーチン大統領は「任務は完遂され、申し分ない」と評価した。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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