敵対的買収防衛策は、どうすれば発動できるのか

2005年5月号

財界や政界は大慌てで会社法案の見直しを始めた。一方で、市場の健全さを保つ「大原則」もクローズアップされている。その中身とは――。「株を借りるということは人質をとったと言えなくもない。だが、ファンドの運営が目的だ」――。 フジテレビジョンの筆頭株主に躍り出たソフトバンク・インベストメント(SBI)の北尾吉孝・最高経営責任者(元野村証券事業法人三部長)は三月二十四日、記者会見でこう言ってみせた。フジの発表によると、ニッポン放送が持っていた約一五%のフジ株をSBIが今後五年間、借り受ける。フジサンケイグループとの提携を強引に求めるライブドアへの対抗策である。 ライブドアはニッポン放送の約五〇%の株を取得済み。そのニッポン放送はフジの株を大量保有する。そしてフジも、ニッポン放送の第二位の株主だ。このままでは商法の規定によりニッポン放送はフジに対する議決権を行使できないが、ニッポン放送の支配権を得たライブドアがニッポン放送の増資に動き、同社に対するフジの持ち株比率を落とせば、消えていたフジへの議決権は復活する。つまりライブドアはニッポン放送を通じフジに影響力を行使できるようになるはずだった。 しかし今回の借株の結果、フジ株はSBIに移り、ニッポン放送が増資してもフジへの議決権はSBI保有のままとなる。ニッポン放送を通じ「本丸」のフジを取り込もうというライブドアの出鼻を挫いた格好だ。

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