「29番目の州」創設で懸念される「地域ナショナリズム再燃」

執筆者:緒方麻也 2013年8月7日
タグ: インド
エリア: アジア
 著者作成
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 インド政府は7月30日、地元住民からの粘り強い要求を背景に、南インド・アンドラプラデシュ州の西部「テランガナ」地域をインド29番目の「州」として独立させることを正式に決定した。来春の総選挙をにらんだ政治的思惑も絡むが、テランガナや州都ハイデラバードを失うことになる現アンドラプラデシュ州の住民や政治家は、当然ながらこの決定に猛反発。州内では暴力的な抗議行動が続発している。さらにこの新州創設決定に触発された形で、インド各地では同様の「独立運動」が相次ぎ再燃する兆しを見せている。月並みな表現ながら、まさに「パンドラの匣(はこ)」を開けてしまった、という言い方が当てはまりそうだ。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
緒方麻也(おがたまや) ジャーナリスト。4年間のインド駐在を含め、20年にわたってインド・パキスタンや南アジアの政治・経済の最前線を取材、分析している。「新興国において、経済成長こそがより多くの人を幸福にできる」というのが信条。
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