「29番目の州」創設で懸念される「地域ナショナリズム再燃」

執筆者:緒方麻也 2013年8月7日
 著者作成
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 インド政府は7月30日、地元住民からの粘り強い要求を背景に、南インド・アンドラプラデシュ州の西部「テランガナ」地域をインド29番目の「州」として独立させることを正式に決定した。来春の総選挙をにらんだ政治的思惑も絡むが、テランガナや州都ハイデラバードを失うことになる現アンドラプラデシュ州の住民や政治家は、当然ながらこの決定に猛反発。州内では暴力的な抗議行動が続発している。さらにこの新州創設決定に触発された形で、インド各地では同様の「独立運動」が相次ぎ再燃する兆しを見せている。月並みな表現ながら、まさに「パンドラの匣(はこ)」を開けてしまった、という言い方が当てはまりそうだ。

 アンドラプラデシュ州西部に位置するテランガナ地域は、人口約3538万人、面積11.4万平方キロメートルで、ともに現アンドラプラデシュ州の約4割を占める。1950年代に同じテルグ語圏の他地域と半ば人工的に合併した経緯があり、内陸の農業地帯であるテランガナはヴィシャカパトナム、ヴィジャヤワダなど有力都市を抱える沿海部などと比べて経済発展が遅れていることから、住民らは州のステータスを得ることが生活向上につながると主張してきた。

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