「手口は単純」でも止まぬ中国の銀行スキャンダル

2005年5月号
エリア: 中国・台湾

 海外市場も視野に入れた株式公開を目指している中国銀行と中国建設銀行。この中国第二位と第三位の国有商業銀行の上場は、銀行改革と金融システム強化を実現しようという中国政府の宿願だ。 両行は二〇〇三年末に国庫から二百二十五億ドルの資本注入を受け資本を強化。二〇〇五年末から二〇〇六年初頭の株式公開を目指している。しかし、最近になって中国では、この両行が中心になった金融スキャンダルが相次いで表面化。このため、上場スケジュールにも影響が出かねない状況だ。 四月二日、中国銀行の北京本店で六億四千五百万元(約八十五億円)の巨額スキャンダルが発覚した。事件は融資担当者が取引先の不動産開発業者らと結託し、アパート用不動産開発資金を不正に引き出したというもの。資金の一部は海外にも持ち出されたと見られている。 印象的なのは、その手口の単純さである。ローン担当者が書類を偽造しただけで不正融資が通ってしまった。彼はこれによって、八百万元(一億円)を簡単に懐に収めることができたというのだ。 この不正融資は二〇〇〇年から二〇〇二年にかけて行なわれている。それが明るみに出るまでにこれだけ時間がかかった理由を、中国銀行は明かさない。だが、中国の銀行融資の危うさを改めて印象づけたことだけは間違いない。

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