海外投資家の「日本買い」が息切れするとき

執筆者:小田博利 2005年5月号

日本経済の自律回復シナリオが説得力を失いはじめ、「日本買い」を続けてきた米国マネーは静かに利食いの機会を窺っている。「ところで、日本株は買い続けるのだろうね?」。日本の金融関係者の質問に、電話口の向こう側の米投資アドバイザーが一瞬、口ごもった。「日本経済の構造改革」を買い材料にしていたはずなのに、何かが違う。三月末に外国人投資家の日本株買いが、四カ月ぶりに止まった。 日本の株式に投資してきた外国人投資家も、そろそろ痺れを切らしだしたようだ。春までにはメドが立つはずだった景気回復が、後ズレしている。米中に頼った景気持ち直しを自律回復につなげるシナリオが実現するかは、依然不明だ。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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