「議決権」を漁る“異形の株主”が現れた

2005年6月号

敵対的買収者・ライブドアに引導を渡した「貸株」は、逆に企業の首を絞める可能性もある。生き馬の目を抜く米市場の最新動向。[ニューヨーク発]ニッポン放送買収騒動で「ギケツケン」が一気に知名度を上げた日本。一方、米ウォール街では奇妙な金融取引が話題を呼んでいる。 株式を買わずに議決権だけを手に入れる――。年金基金などから借り出された株式から議決権部分だけを切り離して集め、株価変動のリスクを負わずに大株主を名乗ってモノ申す。本質的な実体を持たない“異形の株主”の出現だ。 こうした取引の存在が明るみに出たのは昨年十二月。一九八〇年代には「企業乗っ取り屋」として恐れられた著名投資家のカール・アイカーン氏が新興ヘッジファンドを運用するリチャード・ペリー氏を相手取り、両者がともに大株主である中堅製薬メーカー、マイラン・ラボラトリーズの議決権を不当に買い占めたと提訴したのだ。 争点となったマイランはジェネリック(後発医薬品)メーカーで、ブランド力の弱さが悩みだった。同社は昨年七月、戦略転換を決断し、血圧降下剤で独自のブランドを持つ中堅製薬メーカー、キング・ファーマシューティカルズの買収を計画する。自社も心筋梗塞治療の新薬開発を進めているためシナジー(相乗効果)が期待できるとのシナリオを立て、買収価格は株式交換で四十億ドルと弾き出した。

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