プーチン政権が本腰を入れる旧ソ連圏「反・民主化革命」

2005年6月号
カテゴリ: 国際
エリア: ロシア

 五月十日、グルジアの首都トビリシを訪れたブッシュ米大統領の演説会場から手榴弾が発見された。モスクワの外交団の間では「ロシアの嫌がらせ」との見方が浮上している。 グルジアのサーカシビリ大統領は、ロシアが威信を懸けて五月九日に開催した対独戦勝六十周年記念式典をボイコット。親米派で、ブッシュ大統領には「旧ソ連圏の自由拡大に協力する」と約束した。 米・グルジアの結束強化は、旧ソ連圏に民主化ドミノを拡げかねない。手榴弾事件についても、グルジア国内には米国を憎む勢力が存在しないため、「ロシア情報機関がブッシュ大統領の訪問に冷や水を浴びせた」(消息筋)との憶測が強まる。 それでなくともプーチン大統領は、グルジア、ウクライナ、キルギスと「民主化革命」が続いたことに危機感を強めており、クレムリンには「反革命局」とも呼ぶべき部局を新設している。正式名称は「地域間関係・独立国家共同体(CIS)文化関係局」で、局長は、昨年のウクライナ大統領選挙で敗れた親ロシア派候補ヤヌコビッチ氏の政治アドバイザーでもあった政治学者のコレロフ氏。 プーチン政権は、政変の引き金となったウクライナの大統領選挙で親ロシア派候補を露骨に応援、かえって反露機運を高めた。この失敗で大統領周辺は、諜報機関による陰謀や経済的圧力だけでは旧ソ連圏のロシア離れに歯止めをかけられないと判断。「反革命局」を設け、CISの共通言語であるロシア語やロシア文化などソフトパワーに訴え、イメージ改善など心理工作にも力を注ぐことで、強面路線の転換を内外に印象づける作戦だという。

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