ブッシュが「魂の友」と呼ぶ男・シャランスキー

大統領就任演説のモチーフ「独裁の終焉」は、この前イスラエル閣僚の著書に触発されたものだった。[ワシントン発]昨年のこと、一人のイスラエル人が自著『The Case for Democracy: The Power of Freedom to Overcome Tyranny and Terror(民主主義の論拠:独裁と恐怖にうち勝つための自由の力)』の宣伝のためにアメリカを訪れた時、メディアの関心は集まらず、読者は見向きもしなかった。著者の名はナタン・シャランスキー(五七)。ソビエトからイスラエルに亡命したユダヤ人で、ガザ地区からのユダヤ人撤退に反対してこの五月二日に辞職するまでイスラエルの閣僚だったが、その保守的で極端な思想ゆえに自国でも傍流と見なされる存在だった。

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執筆者プロフィール
ルイーズ・ブランソン(るいーずぶらんそん) イギリス出身。英『サンデー・タイムズ』紙モスクワ支局長を経てフリーランスに。米『ワシントン・ポスト』紙元モスクワ支局長で夫のダスコ・ドーダー氏との共著に『ミハイル・ゴルバチョフ』『ミロシェビッチ――暴君のポートレイト』がある。
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