「ワシントンポスト身売り」が示す新聞メディアの「暗い将来」

執筆者:新田賢吾 2013年8月13日
タグ: 日本
エリア: 北米
 自社の電光掲示板でも「身売り」を報じた (C)EPA=時事
自社の電光掲示板でも「身売り」を報じた (C)EPA=時事

 「経営難になったらビルの1階を売って編集局を2階に移せばいい。さらに苦しくなったら2階を売って、3階に移ろう。ワシントンポストのビルは9階まである」――。

 ニクソン米大統領を史上初の現職辞任に追い込んだウォーターゲート事件(1972-74年)をスクープしたワシントンポストは事件の最中、ホワイトハウス、共和党などからの強い圧力にさらされ、広告収入が激減した。その時、社主のキャサリン・グラハムは毅然と立ち向かう決意をこう語ったという。企業としての利益よりも権力に屈しないジャーナリズムを貫こうとした姿勢は、ワシントンポストを世界で最も尊敬される新聞のひとつにした。

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