「経営難になったらビルの1階を売って編集局を2階に移せばいい。さらに苦しくなったら2階を売って、3階に移ろう。ワシントンポストのビルは9階まである」――。
ニクソン米大統領を史上初の現職辞任に追い込んだウォーターゲート事件(1972-74年)をスクープしたワシントンポストは事件の最中、ホワイトハウス、共和党などからの強い圧力にさらされ、広告収入が激減した。その時、社主のキャサリン・グラハムは毅然と立ち向かう決意をこう語ったという。企業としての利益よりも権力に屈しないジャーナリズムを貫こうとした姿勢は、ワシントンポストを世界で最も尊敬される新聞のひとつにした。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン