長期金利“世界同時低下”の陰の「二つのバブル」

執筆者:小田博利 2005年7月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

ヘッジファンドと米住宅市場に膨らんだ巨大なバブルが、世界の債券市場に異常現象をもたらしている。「世界の債券市場で広範に起きている、予期せざる行動は『謎』である」。グリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、二月の米議会証言で述べたこのくだりが、金融界で今年の「流行語大賞」となろうとしている。「謎」に当たる言葉は「conundrum(コナンダラム)」。「根拠なき熱狂(irrational exuberance)」かどうか。米国株に対して、グリーンスパン議長が一九九六年十二月に発した問いは、IT(情報技術)バブルが崩壊するまで、金融関係者にとって「スフィンクスの謎」となった。今また、債券市場に「謎」を投げかけようとしている。 FRBが誘導対象とする短期のフェデラルファンド(FF)金利の引き上げに転じたのは、昨年六月。連邦公開市場委員会(FOMC)のたびに〇・二五%ずつの「慎重なペース」で利上げを続け、一年間の利上げ幅は合わせて二%となった。FF金利の水準は現在、年三%である。 市場の「期待(将来の予想)」を反映する長期金利は、アベコベに低下基調をたどっている。十年物米国債の利回りでみた長期金利は六月上旬には四%を下回り、同議長が「謎」と呼んだ二月時点よりも低くなっている。長短金利の格差は一%を下回る、ニアミス状態である。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
最新コメント
最新トピック
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順