再選が危ぶまれる米共和党重鎮・マコーネル上院院内総務

執筆者:足立正彦 2013年8月16日
エリア: 北米

 2014年中間選挙の投票日まで1年2カ月以上もあるが、共和党の予備選挙、民主党候補と相対する本選挙の双方で、すでに苦戦が予想されている大物の共和党上院議員がいる。その政治家とは、来年11月の投票日に6期目の当選を目指している共和党上院院内総務のミッチ・マコーネル氏(ケンタッキー州選出)である。

 

 2014年中間選挙は、改選期を迎える上院議員の数が、共和党よりも民主党の方が多い。また、ジェイ・ロックフェラー(ウエストヴァージニア州)、マックス・ボーカス(モンタナ州)、トム・ハーキン(アイオワ州)、ティム・ジョンソン(サウスダコタ州)といった、共和党の支持が強固だったり、あるいは、民主、共和両党の支持が拮抗していたりする「接戦州」から選出された現職の有力民主党議員は、相次いで不出馬表明を行なっている。そのため、概ね共和党有利との見方がされている。そんな中、上院院内総務を務める党の重鎮のマコーネル氏は、最も厳しい再選キャンペーンを強いられそうな状況にある。マコーネル氏が再選に失敗した場合、仮に2014年中間選挙で共和党が多数党に復帰できることになったとしても、2015年1月に召集される第114議会ではマコーネル氏の姿は上院にはなく、「少数党の上院院内総務(“Minority Senate Leader”)」から「多数党の上院院内総務(“Majority Senate Leader”)」に就任することができなくなる。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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