なぜ日本は「iPod」を作れなかったのか

執筆者:大島仁 2005年7月号

「モノ作り」だけでは勝ち残れないのがデジタル家電市場。肝心の「ソフト力」に、日本メーカーの死角がある。[ニューヨーク発]「似たようなメーカーが多過ぎる。これでは国内の業界全体が過当競争で共倒れになってしまう。業界再編が必要だ」――。 経済産業省が家電業界の再編を促し始めた。A社とB社の事業部門同士を統合したり、複数企業の同種部門を新会社に集約したりといった可能性を、各社経営陣と現実問題として議論している。 デジタル家電の人気自体は高まっているのに、二〇〇五年三月期決算では三洋電機、パイオニア、日本ビクターが相次いで赤字に転落。ソニーの電機部門も赤字幅が前の年度に比べて広がった。収益を伸ばしているのは薄型テレビの好調に支えられた松下電器産業やシャープなどほんの一握りで、業界全体では数量的な需要が好調でも利益が出ない構造不況の色彩が強まっている。 経産省にとっては久々の大型産業政策案件に見えるのだろう。もちろん、政府主導で民間産業の構造を変えようという発想が時代錯誤なのは、官僚当人たちを除くと誰の目にも明らかだ。しかし各企業の経営が、介入の口実を与えているのもまた事実である。家電にも「ムーアの法則」が……

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