国際論壇レビュー
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「エジプト騒乱」で批判受けるオバマ大統領の「外交・安全保障」

会田弘継
 騒乱はいまも続く (C)AFP=時事
騒乱はいまも続く (C)AFP=時事

〈エジプトの天安門事件だ〉――。

 進歩派の英紙『ガーディアン』は8月15日付社説の見出しで厳しく断罪した。軍のクーデターに反発するエジプトのモルシ前大統領派のデモに対し治安部隊がすさまじい弾圧を始め、18日までに政府側の発表で死者は850人を超えた。

 同紙は、軍主導でつくられた暫定政権は「ルビコン河を渡った」と見る。クーデターを仕掛けたシーシ国防相はイスラム組織ムスリム同胞団に対し「宣戦布告」をしたに等しく、もはや同胞団との政治的和解の希望はなくなった、と同紙は言う。【Military crackdown: Egypt’s Tiananmen Square, The Guardian, Aug. 15

 国際社会の反応は鈍い。黙認ではないか。特にカギを握る米国は口先の非難だけだ。エジプト軍への13億ドル(約1300億円)の援助を切らなくてはダメだ。シーシが勝利するのを待っているようではないか、とガーディアンは米国をも断罪する。

〈このすさまじい人権蹂躙に対し毅然とした態度をとらなければ、良心にもとる。アメリカの名折れだ〉

 米紙『ワシントン・ポスト』の15日付社説も、直ちに軍への援助・協力を止めるよう求めた。軍を支援し続ければ、新たな独裁を生むことになると警告する。先月クーデターが起きた時点で、

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執筆者プロフィール
会田弘継
会田弘継 青山学院大学地球社会共生学部教授、共同通信客員論説委員。1951年生れ。東京外国語大学英米科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを歴任。2015年4月より現職。著書に本誌連載をまとめた『追跡・アメリカの思想家たち』(新潮選書)、『戦争を始めるのは誰か』(講談社現代新書)、訳書にフランシス・フクヤマ『アメリカの終わり』(講談社)などがある。
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