未来を模索するマザーマシン 4 二〇年間「寸分狂わぬ」機械を作る手仕事

執筆者:船木春仁 2005年7月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

「少なくともあの二社を検証してみないのは、連載としては画龍点睛を欠きますよ」 工作機械の明日の国際競争力を探るこの章の連載を読んで、ある業界関係者がくれたアドバイスだ。「あの二社」とは、三井精機工業(埼玉県川島町)と安田工業(岡山県里庄町)のことである。 売上高は三井精機が約二〇〇億円、安田工業がその半分。その規模から考えると両社とも中堅の工作機械メーカーである。ともに守秘義務のために自社製品の納入先を明らかにしないが、先の業界関係者によると、「この二社がなければ、現在の航空機や自動車は、もっとがさつなものになっていたはずだ。アメリカでは現地メーカーが調達する形で、軍需や航空宇宙の分野でも両社の工作機械が使われている」。 航空機も自動車も電器製品も、すべては、部品が組み合わされて動く「機械」である。その部品を作るのが工作機械だ。機械を作る機械なので工作機械はマザーマシンと呼ばれる。とすれば、工作機械の加工精度が高ければ高いほど、それぞれが作った機械(航空機や自動車など)の性能もよくなり、精密にできる。自動車メーカーのフェラーリが、安田工業の工作機械を導入して、エンジンの要であるシリンダーを作っていることを思い浮かべれば分かりやすいだろう。

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