クオ・ヴァディス きみはどこへいくのか?

虎に跨って奔る中国に養虎遺患の嫌いあり

執筆者:徳岡孝夫 2005年7月号
タグ: 中国 日本 台湾
エリア: アジア

「あんたら、なんぼ金持ちか知らんけど、金持チ喧嘩セズでいくことないやろ。怒るべきときは怒らんかい!」JR西日本幹部を記者会見で怒鳴り上げた髭の社会部記者なら、そう叱咤するだろう。 日本の総理大臣に会う約束を、当日すっぽかして帰った中国副首相・呉儀の無礼は、国際社会の交際の常識から見て、意図して日本に侮辱を加えた行為である。怒るべきときに怒らなければ、国は国家として失格である。 隣の子供がキャッチボールしていて窓ガラスを割った。親に子供を叱ってくれと頼んだら「何ぬかす。おまえの祖父さんは悪いヤツだった。おまえはその霊を仏壇に祭って鉦を鳴らしておるだろう。まず謝れ。こっちは謝罪も弁償もせん」と突っぱねた。それで、御近所の交際が成り立つのか?

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執筆者プロフィール
徳岡孝夫(とくおかたかお) 1930年大阪府生れ。京都大学文学部卒。毎日新聞社に入り、大阪本社社会部、サンデー毎日、英文毎日記者を務める。ベトナム戦争中には東南アジア特派員。1985年、学芸部編集委員を最後に退社、フリーに。主著に『五衰の人―三島由紀夫私記―』(第10回新潮学芸賞受賞)、『妻の肖像』『「民主主義」を疑え!』。訳書に、A・トフラー『第三の波』、D・キーン『日本文学史』など。86年に菊池寛賞受賞。
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