英国型インテリジェンスの敗北から学ぶこと

執筆者:北岡元 2005年8月号
カテゴリ: 国際
エリア: ヨーロッパ

アメリカばかりか、「対テロ先進国」イギリスでさえ同時多発テロに見舞われた。日本の情報体制の処方箋はどこにあるのか。 七月七日、G8サミット最中の英国で、ロンドン市民の足、そしてロンドンの象徴である地下鉄と二階建バスに対するテロが、相次いで起こった。七月十一日の時点で死者五十名超、負傷者約七百名という大惨事だ。サミットの最中にロンドンの象徴が攻撃されたことも衝撃的だが、インテリジェンス(情報)の観点から見ると、事態は一層深刻に思える。 その理由は、米国とは異なる情報体制をとってきた英国でも、テロが防げなかったことだ。 中央情報局(CIA)長官を兼任する中央情報長官(DCI)のもと、数多くの情報組織からなる「インテリジェンス・コミュニティー」を束ね、いわば「上から情報組織をまとめる」やり方をとってきた米国は、二〇〇一年九月十一日の同時多発テロを防げなかった反省をもとに、情報組織の改革を進めてきた。昨年十二月に成立した情報機関改革法によって、コミュニティーのとりまとめに専念する国家情報長官(DNI)のポストが新設されたが、これも結局はDNIに有力閣僚級の強い権限を与えることで「上からまとめる」やり方を強化したに過ぎない。

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