インテリジェンス・ナウ
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大統領も恐れるFBIに初めて入る改革のメス

春名幹男
執筆者:春名幹男 2005年8月号
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 六月二十九日、ホワイトハウスが発表した国家安全保障関係の閣僚級会議の写真が捉えた出席者の表情は極めて興味深い。 長い楕円形のテーブルの右端にブッシュ大統領、左端にゴンザレス司法長官、大統領の右手にチェイニー副大統領、次いでネグロポンテ国家情報長官ら、手前はライス国務、ラムズフェルド国防各長官の順で着席。 モラー米連邦捜査局(FBI)長官は司法長官の左脇。引き下がり気味に腰掛け、やや浮かぬ表情だ。ネグロポンテ長官が厳しい目つきで大統領を見つめているのとは対照的である。 この会議で、七十項目の新たな情報機関改革が承認された。 昨年末の改革では、国家情報長官(DNI)の新設が決まった。これは改革の第二弾だ。 主な改革は(1)DNIの下に国家反拡散センターを新設する(2)海外でスパイが収集した人的情報(HUMINT)は米中央情報局(CIA)が統括する(3)司法省の反テロ、防諜、情報部門を統合し、これらを担当する司法次官補を新設する――など。 だが、それ以上にワシントンの情報専門家らを驚かせたのは、初めてFBI情報部門の改革が盛り込まれたことである。 防諜などFBIの情報機関としての機能をFBI内に新設する国家安保部門(NSS)に統合し、NSS担当のFBI次官を任命することになった。しかも、その人事承認と予算に対してDNIが発言権を持つというのだ。

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執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
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