弘前で奮闘するリンゴ輸出の「先駆者」

執筆者:水木楊 2005年8月号
カテゴリ: 社会 経済・ビジネス
エリア: 日本

「北京では日本のリンゴが一個二千円で売られている」――今年の四月末、「農林水産物等輸出促進全国協議会」の設立総会に出席した小泉首相はこんな例を挙げて「攻めの農業」を唱えた。農林水産省は今後五年間で日本の農林水産物輸出額を倍増する目標を掲げている。 一個二千円はまれだが、北京や上海では日本のリンゴに八百円以上の値がついている。とりわけ、大玉(スーパーなどでなじみの『ふじ』の一・五倍)の、美しいピンク色の『陸奥』は人気である。その陸奥を輸出しているのが、青森県弘前市内に本拠を置く片山寿伸さん(四五)。「片山りんご有限会社」(認定農業法人)の代表取締役である。 青森空港から弘前市へとタクシーを走らせた。あいにくの曇天で岩木山は雲の中だが、津軽平野のあちこちにリンゴ畑があり、枝から白い可愛らしい花を咲かせているのがうかがえる。青森県は全国のリンゴの半分を生産する。奥羽山脈、津軽山地、岩木山、白神山地に囲まれたこの平野は、リンゴの生産にとりわけ適しており、青森県内の約三分の二を生産する。 早朝七時、片山さんは赤い小型のトラクターに乗り、作業衣で現れた。髪はスポーツ刈り。よく日に焼けている。少し前かがみになりながら、大またでぐんぐん歩き、事務所内に筆者を案内してくれた。

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