日本の教育は「脱ゆとり」から「脱文科省」へ?

執筆者:原田巧 2005年8月号
カテゴリ: 社会
エリア: 日本

学習指導要領の改定に向けた論議が熱を帯びている。読解力、英語、週休二日、「到達目標」と見直しのポイントは多いが……。 この半年ほどの間に、子どもの「学力低下」に関する各種アンケートが新聞紙上を賑わせたのをご存じだろうか。「小学生の四割が『天動説正しい』」(国立天文台研究者の調査)、「赤十字は『あかじゅうじ』?」(総合初等教育研究所の漢字読み書き調査)、「イラクの位置、大学生の四割誤答」(日本地理学会の調査)等々。いずれも子どもの基礎学力の現状に不安を投げ掛けるデータで、調査の担当者らは「基本的な内容まで削減したのが原因だ」と学習指導要領に批判の矛先を向けた。 ところが、立て続けに公表されるこうした調査を、冷めた目で見つめる教育関係者も少なくない。「理科、国語、社会――研究者や団体は自分たちの権益を拡大するため、関連教科の時間数を増やしたい。危機感をあおって次期指導要領に反映させるのが狙いで、早くも“利益代表”の綱引きが始まったってことですよ」(教科書出版社の編集者) 次期学習指導要領をめぐる論議が熱を帯びている。学習内容を三割削減し、総合的な学習の時間(総合学習)を導入して自ら問題を見つけ解決する力の育成を狙った現行の学習指導要領が、「学力低下を招いた」と厳しい批判にさらされたからだ。

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