イラク駐留米軍の“心臓部”が直撃を受けていた

2005年8月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中国・台湾 北米

 五月三十一日のバグダッド――日が暮れた後も、まだ四十度の暑さが残っていた。だが、バグダッド郊外の米軍拠点、キャンプ・ビクトリーでは兵士たちが久しぶりに活気づいていた。この日は、新作映画『スター・ウォーズ・エピソード3』が上映されることになっていたからだ。コーラとポップコーンを手に、屋外ステージに特設されたスクリーンに見入る兵士たち……。 彼らを現実に引き戻したのは、一発のロケット弾の炸裂だった。 事件が起きたのは午後七時すぎ。ロケット弾は多数の兵士で賑わうステージ付近に着弾。娯楽の場は一瞬にして血の海と化した。この攻撃で米兵やキャンプの厚生施設で働く民間人など約二十人が死傷した。 米軍はイラク全土で大小百カ所あまりの基地を使用しているが、中でもバグダッド国際空港に隣接するキャンプ・ビクトリーは司令部を置くイラク最大の基地である。米軍の牙城ともいうべきキャンプ・ビクトリーに対するこうした攻撃は、実はきわめて頻繁に行なわれており、昨年の十月にはアメリカ人外交官が攻撃の巻き添えで命を落としている。 ロケット弾や迫撃砲による攻撃は武装勢力の常套手段だ。米軍は戦車まで配備して攻撃を防ごうとしているが、大規模部隊を収容する約五十平方キロの広大なキャンプは皮肉なことに武装勢力の目には“狙いやすい大きな的”と映る。

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