政界液状化の中で「外相ポスト」を争う人々

2005年8月号
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

郵政解散がなければ九月の内閣改造はがぜん現実味を帯びる。焦点の外相ポストをめぐり森派内外では勝手なつばぜりあいが……。「私はいつ辞めてもいい」 町村信孝外相(六〇)は最近、周囲にこうした発言を繰り返している。国連特別首脳会合を九月に控え、安保理常任理事国入りで実績を残したい町村氏にとって、それが本音ではないことは明らかだ。どうやら外相のポストに恋々としないという意味で口にしたようなのだが、永田町では「人事権を持つのは首相だ」「辞めたいなら自分から辞表を出せばいい」といった批判が相次いでいる。「永田町に彼を守る人間はほとんどいないのではないか」。自民党幹部は異口同音にそう語る。日比谷高校から東京大学を経て通産省に入省。元北海道知事で自治相を務めた父、金五氏の地盤を引き継いで政界入りした町村氏は「汗をかいて人のために尽くすより、担がれた神輿に乗るタイプ」と評され、人望はあまりない。小泉政権の発足以来、何度か官房長官候補に挙がりながらも下馬評にとどまってきたのは「首相とソリが合わないため」とされるが、それは森派議員の見方とほぼ一致する。 その意味で、町村非難の多くが所属する森派内部から出ているのは不自然ではない。実際、町村氏は派内に「自分を外相から引き摺り下ろしたい」勢力がいることを見越し牽制球を投げた節もある。それが意に反して「材料」に使われ始めているのだ。

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