スーパースターの黄昏

名越健郎
執筆者:名越健郎 2005年8月号
エリア: 北米

「子供好きのヒューマニスト」か「小児性愛の犯罪者」か――。少年への性的虐待などの罪に問われたポップス界のスーパースター、マイケル・ジャクソン(46)は、結局証拠不十分で無罪評決となった。直後の世論調査では、無罪に「同意できない」が48%、「同意する」が34%だった。 全米注視のこの裁判の結末は、元妻とその愛人を殺害したとされたアメリカンフットボール界の元スーパースター、O. J. シンプソンが1995年に無罪評決を受けた裁判に似ている。被告が著名な黒人のため、人種問題が絡み、陪審員が有罪評決を躊躇したのではないかとの指摘がある。億万長者の被告が辣腕弁護士を集め、ドリームチームを編成したことでも一致する。 マイケル・ジャクソンの弁護団が無罪評決後、記者会見した。「O. J. シンプソンの時のように、人種問題を巧みに利用したのでは?」「とんでもない。被告はもう白人だ」 無罪評決の後、被害を訴えていた少年の父親がつぶやいた。「仕方がない。金持ちの白人は何をしても許されるのだ」 教会で神について学んだ少年が母親に尋ねた。「神は男なの、それとも女なの?」「男でもあるし、女でもあるのよ」「神は白人なの、それとも黒人なの?」

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執筆者プロフィール
名越健郎
名越健郎 1953年岡山県生れ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長を歴任。2011年、同社退社。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学東アジア調査研究センター特任教授。著書に『クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史』(中公新書)、『独裁者たちへ!!―ひと口レジスタンス459』(講談社)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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