ロンドンの経験が呼んだイギリス「テロ対策」の劇変

ブレア首相は一連の厳しいテロ対策の導入を宣言、長年の“矛盾”を解消した。しかし、それですべてが解決するわけでもない。[ロンドン発]取り締まりの強化は、当然の措置だった。 七月七日の同時多発テロで五十六人が犠牲となり、わずか二週間後に同規模の被害を出したかもしれないテロ未遂が続いたのだ。イギリス社会は怒り、不安に陥った。そして何より、過激思想を野放しにしてきた自国の法律と自由主義団体に苛立ちを覚えた。人権を重視するあまり、イギリスは、若きムスリム(イスラム教徒)の憎しみを煽る過激派を逮捕することも国外追放にすることも、ほとんどしてこなかったからだ。

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