「プーチン視察」も囁かれるロシア要人“北方領土詣で”の謎

執筆者:藤村幹雄 2005年9月号
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: ロシア 日本

[モスクワ発]十一月二十日から五年ぶりに訪日するロシアのプーチン大統領が、九月に北方領土を視察するとの情報が一部で流れている。実現すれば、ソ連・ロシアを通じて最高指導者が現地に立ち入るのは初めて。「北方領土を明け渡さないとする政治的ゼスチャーになる」(外交筋)だけに、日本には衝撃を与えそうだ。 サハリン州の当局者によれば、大統領は九月にサハリンを含む極東視察を予定しており、その際、四島最大の択捉島に足を伸ばす可能性がある。クレムリン当局者も「可能性は排除しない」としている。視察の波紋や日露関係への影響をにらみながら、検討しているもようだ。 大統領の視察の露払いのように、このところロシア要人の北方領土詣でが相次いでいる。六月五日、連邦保安局(FSB)のパトルシェフ長官が国後島と歯舞諸島の水晶島を訪れ、両島の国境警備隊施設を視察。長官はサハリン州政府と、海洋資源保護や経済特区創設を共同で進めることで合意した。 六月中旬には、安保会議の代表団が国後、択捉、色丹三島を訪れた。スパスキー安保会議副書記を団長に、外務省で対日政策を担当するサプリン第一アジア局次長も参加。サハリンから船で三島を回り、漁業コンビナートやエネルギー施設を訪れ、島民と対話した。副書記は視察後サハリン州幹部と会談し、「島の困難な状況にもかかわらず、九〇%以上の島民が一致して、島はロシア連邦にとどまるべきだと主張した。島民の意見はロシア指導部の立場と同じだ」と強調。「返還の選択肢は一切検討されていない」と付け加えた。

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