三井物産がヨーカ堂に恋歌を唄う理由

2005年9月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

 三井物産によるイトーヨーカ堂、セブンイレブン・ジャパンの株式買い付けに注目が集まっている。約四百五十億円を投じる大きな投資でありながら、「セブンやヨーカ堂の子会社化を目指すといった、明確なポジションを獲得するものではない」(別の商社幹部)として、真意をいぶかる向きもある。だが、流通業界関係者は「物産とヨーカ堂グループの双方にとって大きな前進」と評価する。 両者は二〇〇一年に包括提携し、物産はセブンイレブンが取引する地方食品卸七社に出資。ショッピングセンター開発でも共同出資して新会社を設立したほか、物産のヨーカ堂向け取扱額は「直近で約四千億円」(物産首脳)にまで拡大していた。 三井物産は若手社員をヨーカ堂に出向させたり、ヨーカ堂グループとの懇親会を槍田松瑩社長主催で定期的に開いたりしてきた。一方、商社の系列色がつくことで経営の自由度が下がることを嫌う鈴木敏文ヨーカ堂会長兼CEO(最高経営責任者)は、「三井物産と提携した覚えはない」と公言してはばからなかった。 ところが今回、鈴木CEOは物産の株式取得を事前に了承。両者の関係強化に、ヨーカ堂グループ代表でもある鈴木氏からやっと「お墨付き」が出た形となった。

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