「デジタル化」はラジオの寿命を縮めないか

2005年9月号

テレビに負けじとラジオ業界はデジタル化を前倒しして復活を期している。だが、その行方には幾重にも暗雲が――。「六年後、すべてのテレビはデジタルへ!」。在京キー局とNHKが女子アナを浴衣姿で登場させ、二〇一一年七月のテレビの完全デジタル化を華々しくキャンペーンする中、ラジオのデジタル放送も遅ればせながら動き出した。「オール・ジャパンでデジタルの新しい世界を切り開く」 七月二十六日、エフエム東京の後藤亘会長は、在京のラジオ局五社を中心に来年四月から東京と大阪でデジタルラジオの放送開始を目指すと発表した。現行のアナログがデジタルになると、主に携帯電話を想定している受信機の液晶画面に、料理番組ならレシピ、音楽番組なら歌詞などの文字情報や、簡単な動画を表示できる。主力の音声もCD並みの高音質で楽しめる。若者向けの音楽ダウンロード機能を目玉にしたいところだが、携帯電話での利用には電池の長寿命化が前提となるなど、受信機問題の見通しは不透明だ。 会見には、後藤会長とともに、ニッポン放送の磯原裕、文化放送の佐藤重喜、TBSラジオ&コミュニケーションズの清水洋二、J-WAVEの井村文彦の各社長も出席した。五社のトップは異口同音に「オール・ジャパン」と口にし、在京五社が連携してデジタルラジオの普及に取り組むことを強調した。計画によると、来年四月から東京と大阪で放送を始め、〇八年中に札幌、仙台、静岡、名古屋、広島、福岡の主要都市にエリアを広げ、すべてのテレビがデジタルに切り替わるとされる一一年末にはデジタルラジオも全国に放送地域を拡大し、世帯カバー率で九〇%を目指す。

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