早くもかまびすしい「ポスト盧武鉉」の下馬評

執筆者:黒田勝弘 2005年9月号
エリア: アジア

さすがに「ビックリ案」の連発に飽きられた盧政権。任期半ばを過ぎて「次」が語られ始めた。「女の対決」か、それとも――。[ソウル発]韓国の盧武鉉(五九)政権は八月で任期(五年)の半分が過ぎた。政権後半に入ると世論は早くも「次」を考え始める。近年、韓国でも世の中の移り変わりのテンポは速い。その分だけ人びとも移り気になり、政権の鮮度が落ちるのも早い。任期の半分を過ぎれば世論にはもう飽きがくる。 とくに盧武鉉政権の場合、地域や政党の基盤にはよらず、インターネットなどメディアの効果的な利用や、いわゆる市民団体や若い世代を中心にした世の中の“革新情緒”などで政権を握ったという経緯がある。ポピュリズム(大衆迎合)政権だけに、たえずカンフル注射的なビックリ案を出していないと鮮度はすぐ低下する。

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執筆者プロフィール
黒田勝弘(くろだかつひろ) 産経新聞ソウル駐在客員論説委員。1941年生れ。共同通信ソウル支局長、産経新聞ソウル支局長兼論説委員を経て現職。2005年度には日本記者クラブ賞、菊池寛賞を受賞。在韓30年。日本を代表するコリア・ウォッチャーで、韓国マスコミにも登場し意見を述べている。『“日本離れ”できない韓国』(文春新書)、『ソウル発 これが韓国主義』(阪急コミュニケーションズ)など著書多数。
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