辛くも政府に助けられた仏ダノンが悩む大買収時代の身の振り方

2005年9月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: ヨーロッパ

 仏食品飲料大手ダノンに米ペプシコが資本参加――。仏業界誌の記事に端を発したペプシコによるダノン買収観測は、ペプシコが否定声明を出しいったんは収まった。仏官民あげての買収反対の大合唱が、ペプシコの計画再考を促したとも見られている。 たいていの仏国民が思い描いたのは、健康食品の代表格であるヨーグルトや乳飲料、ボトル飲料水を手がける優良企業が、糖尿病や肥満の元凶とされる米国のジャンクフード大手に飲み込まれる構図。「スイスのネスレに買収された方がまし」との声も出た。 買収が人員削減につながるとの不安も政府や業界団体を突き動かした。仏の失業率は一〇%前後で、雇用は最大の政策課題。ここで失敗すれば、欧州連合(EU)憲法が国民投票で否決されて弱体化が進んだ政権基盤がさらにもろくなる。「雇用確保へ闘う政府」を演出するために、ドビルパン首相、シラク大統領までがダノン擁護を表明した。 国民はこれを歓迎した。首相の支持率は上昇を続け、大統領の支持率も歴史的な低迷からは抜け出しつつある。「企業文化」の大切さを説き、M&A(合併・買収)に警戒姿勢を見せるダノンのリブー会長が、政府に支援を頼んだとの説もある。

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