“最大・最強”を謳歌する森派の「分裂の火種」

執筆者:島村亮 2005年10月号
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

「森派の天下を磐石にするための布石だな」 衆議院選挙に勝利すれば、小泉純一郎首相は自民党総裁としての任期を一年延長すべき――衆議院選挙の公示を前に、森派会長の森喜朗前首相が唱え始めた「任期延長論」を、ある参議院議員はそう評した。 そして九月十一日、自民党は圧勝した。与党内で任期延長を求める声が奔出する中で、がぜん注目を集めたのは総裁派閥の伸張だった。 旧橋本派に次ぐ第二派閥だった森派は、最多の五十五人を立て五十三人が当選。参院を含めた勢力(同十二日現在)は、旧橋本派七十人(解散前は八十五人)に対して七十九人(同七十六人)と、最大派閥に躍り出た。非主流派の三派閥(旧橋本派、旧亀井派、旧堀内派)に上がり目はなく、山崎派や小里派など傍流・小派閥が首相に雷同する現状を考えれば、森派は事実上「自民党に残された唯一の派閥」になったといっていい。 これからが我が世の春――なのに、森氏は福田康夫前官房長官への会長職禅譲を考えているとされる。他派閥のベテラン秘書は、「派閥会長を辞めても最大派閥への影響力を行使した竹下登元首相と、自分を重ね合わせているのではないか」と警戒を隠さない。禅譲を、冒頭の「任期延長論」とあわせて考えているからだ。

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