じつは、話し合いや調停より楽な裁判 ―― 離婚裁判の流れ3

執筆者:藤沢数希 2013年10月19日
カテゴリ: 文化・歴史

 離婚裁判はこれからいよいよ佳境に入る。尋問というのは、夫も妻も法廷に出てきて、裁判官の前でお互いの主張や反論をするので、ドラマなんかを見ていると、いかにも裁判という感じがする。さて、今回はこの尋問の解説をするはずであったが、ひとつ重要なことを忘れていたので、そのことを述べておく。それは何かというと、ビジネスマンにとって、離婚裁判はじつは楽である、ということだ。 これまでに説明した裁判の流れを思い出せば、どれほど離婚のための裁判が大変かと思ったかもしれない。その通りだ。そして、世間で売られている、離婚に関する本を読んでも、裁判というのは、時間的にも、精神的にも、非常に大変だと書かれている。その通り。 しかし、信頼関係のなくなった妻やその両親との話し合い、調停での調停委員との話し合いと比べると、じつは裁判のほうが楽なのである。なぜならば、あの電話帳ほどの厚みのある書面を書くのは、自分ではなく、弁護士だからだ。大変なのは、弁護士なのである。 妻との直接の話し合いがどれほど大変かは、個々の事情によると思うので、ここでは調停と裁判の違いを解説して、裁判のほうがいかに楽なのか解説しよう。 まず、もっとも重要なことは、調停は本人が行かないといけないが、裁判は、次回に解説する尋問以外、本人は行かなくてもいいのである。そして、裁判所は平日の昼しかやっていない。これが何を意味するかというと、調停では毎月会社を休まないといけなくなるということだ。これはビジネスマンにとってはかなりの負担になる。会社の上司に、来月のこの日は有給休暇を取ります、と毎月毎月言わないといけなくなるのだ。

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執筆者プロフィール
藤沢数希 理論物理学、コンピューター・シミュレーションの分野で博士号取得。欧米の研究機関で研究職に就いた後、外資系投資銀行に転身。以後、マーケットの定量分析、経済予測、トレーディング業務などに従事。また、高度なリスク・マネジメントの技法を恋愛に応用した『恋愛工学』の第一人者でもある。月間100万PVの人気ブログ『金融日記』の管理人。著書に『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』(ダイヤモンド社)『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』(同)『「反原発」の不都合な真実』(新潮社)『外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々』(ダイヤモンド社)など。
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