TBSのなりふり構わぬ「企業防衛強化」の内幕

2005年10月号

 敵対的買収に怯えるTBSは、九月十六日付で二百六億円相当の第三者割当増資と七十三億円相当の自己株放出を実施した。引受先は電通、ビックカメラ、三井物産、毎日放送の四社。TBS幹部は「数%の株式保有で偉そうな口をきく村上ファンドへの絶縁状」と狙いを語る。 村上ファンドはかねてから、TBSの保有する土地や東京エレクトロン株の売却、増配などを要求。TBSが六月三日に日興プリンシパル・インベストメンツに新株予約権を与える買収防衛策を打ち出しても、七月中旬にMBO(経営陣による企業買収)を提案してくるなど、TBS経営陣の悩みの種だった。 TBSと関係の深い毎日放送が引受先になるのは順当だが、今回の割当で注目されるのはビックカメラ。同社の新井隆司社長は「教養番組をやりたい」とBSデジタル局への新規参入を目指すなど、放送業界に思い入れが強く、TBSの援軍に回ったという。だが、新井氏は村上世彰氏と旧知の間柄で、村上ファンドの出資者の一人とも言われている。「フジ・ライブドア騒動の直後に二人はケンカ別れした」(関係者)との情報もあるものの、ビックカメラはTBSにとって「トロイの木馬」にも変じうる。 一方、本誌は先月号本欄で住友商事がTBS支援に乗り気で有力と報じたが、「有力」の部分は不正確で、TBSは三井物産を選んだ。物産はTBS系のBS局「BS-i」に出資しているほか、通販専門放送局の運営ノウハウや携帯電話・インターネットと放送を組み合わせた事業モデルの構想も多く持つため、TBSへの出資に興味を示していた。

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