インテリジェンス・ナウ
インテリジェンス・ナウ

舞台裏で急接近米‐スーダン「情報協力」の陥穽

春名幹男
執筆者:春名幹男 2005年10月号
カテゴリ: 国際
エリア: アフリカ 北米

 米中央情報局(CIA)はよく、重要な協力者を客人としてワシントンに招き、歓待する。フジモリ元ペルー大統領を陰で支えたモンテシノス元国家情報局(SIN)顧問も若い頃CIAに招かれたことがある。故アラファト・パレスチナ自治政府議長の治安警察長官だったラジューブ氏には防弾ガラスのVIP用リムジンを用意した。 いずれも、後になってその事実が明るみに出た。だが、スーダン国家情報治安局(NISS)のサラハ・アブダラ・ゴシュ長官(少将)をCIAが四月下旬に招いた時は、さすがに米政府内から批判が出て、米紙ロサンゼルス・タイムズにすっぱ抜かれた。CIAがわざわざジェット機をスーダンの首都ハルツームに差し回すという、至れり尽くせりのもてなしだった。 表面的には、米国とスーダンの関係は今も非常に悪い。国務省は依然、スーダンを「テロ支援国」に指定している。昨年九月、当時のパウエル国務長官は、ダルフール紛争でスーダン政府が「虐殺」に関与していると非難した。昨年十月米議会調査局(CRS)のリポートは、ゴシュ長官自身がダルフールの虐殺にかかわったと指摘している。 ところが、舞台裏の情報協力では、両国の関係は大きく進展していた。ゴシュ長官は同紙に「われわれはCIAと強力なパートナーシップ関係にある。われわれの情報はCIAで非常に役に立っている」と述べた。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
価値あるバックナンバー
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順