「和食が無形文化遺産」にあえて苦言を呈する

国末憲人
執筆者:国末憲人 2013年11月3日
カテゴリ: 国際 文化・歴史 社会
エリア: ヨーロッパ 日本

 アゼルバイジャンのバクーで12月に開かれる無形文化遺産委員会で、日本が提案している「和食:日本人の伝統的な食文化」が、無形文化遺産の代表リストに登録される見通しとなった。候補を事前審査する補助機関が「登録」を勧告したからだ。日本人が生み出した素晴らしき生活の知恵を世界に認識してもらうきっかけになると期待できるだろう。

 と、基本的に喜ばしいことであるのを承知したうえで、食品関連の業界の一部が「和食材の消費拡大を」などとはしゃぐのを聞いていると、ちょっと待ってくれと言いたくなる。「無形文化遺産」は、世界各地のコミュニティーが育んできた無形の文化を守り伝えるためにつくられた制度である。その理念を、どこかではき違えていないだろうか。

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執筆者プロフィール
国末憲人 1963年岡山県生まれ。85年大阪大学卒業。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。パリ支局長、論説委員を経て、現在はGLOBE編集長、青山学院大学仏文科非常勤講師。著書に『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(いずれも新潮社)、『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『イラク戦争の深淵』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(いずれも草思社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)、『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社)など。
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