アゼルバイジャンのバクーで12月に開かれる無形文化遺産委員会で、日本が提案している「和食:日本人の伝統的な食文化」が、無形文化遺産の代表リストに登録される見通しとなった。候補を事前審査する補助機関が「登録」を勧告したからだ。日本人が生み出した素晴らしき生活の知恵を世界に認識してもらうきっかけになると期待できるだろう。
と、基本的に喜ばしいことであるのを承知したうえで、食品関連の業界の一部が「和食材の消費拡大を」などとはしゃぐのを聞いていると、ちょっと待ってくれと言いたくなる。「無形文化遺産」は、世界各地のコミュニティーが育んできた無形の文化を守り伝えるためにつくられた制度である。その理念を、どこかではき違えていないだろうか。
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