いよいよ判決の日――離婚裁判の流れ5

執筆者:藤沢数希 2013年11月2日
カテゴリ: 文化・歴史

さて、尋問が終わると1カ月程度で、書記官が作った文字起こしが出てくる。

 ちなみに、前回書き忘れていたが、尋問は、事前に裁判官との相談で、証言したいことの内容などから時間がきっちりと決められる。通常は、主尋問(自分の弁護士からの質問に答える)と反対尋問(相手の弁護士からの質問に答える)で合わせて1時間程度である。これを超えて証人が長々としゃべっていると裁判官に途中で終了させられてしまう。だから、反対尋問では、言いにくいことは答えず、あまり関係ないことをしゃべりはじめて時間切れにさせてしまうというテクニックもある。

 前回に説明したように、ふつうのビジネスの裁判では、尋問はやや形式的なところがあって、それまでの口頭弁論での準備書面の応酬ですでに7割程度は結論が決まっているのだが、離婚裁判ではそもそも決定的な証拠が双方にほとんどなく、夫婦の水掛け論の繰り返しになるので、尋問は大切である。離婚裁判では、それまでの準備書面での議論は5割ぐらいで、おそらく尋問の重要度は4割程度になる。

 この尋問の文字起こしが出てきた時点で、裁判の行方の9割方が決まることになる。最後の1割であるが、それは最終準備書面である。これが、お互いに尋問の証言内容に対して、書面で反論し合う最後のチャンスになる。ここまでで実質的には裁判の全てが決まる。

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執筆者プロフィール
藤沢数希 理論物理学、コンピューター・シミュレーションの分野で博士号取得。欧米の研究機関で研究職に就いた後、外資系投資銀行に転身。以後、マーケットの定量分析、経済予測、トレーディング業務などに従事。また、高度なリスク・マネジメントの技法を恋愛に応用した『恋愛工学』の第一人者でもある。月間100万PVの人気ブログ『金融日記』の管理人。著書に『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』(ダイヤモンド社)『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』(同)『「反原発」の不都合な真実』(新潮社)『外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々』(ダイヤモンド社)など。
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